先日、あるクライアント様からホームページ制作の依頼を受け、最初のヒアリングを行いました。
仕事の内容、創業の経緯、経営者の想い、商品・サービスの詳細、Q&A、お客様の声、事業実績、などなど。

特に仕事の内容を詳しく聞かせていただく中で、他社との差別化のポイントについては、最も力を入れておられる部分ですので、熱が入ります。

「他社はどこも○○をやっているので、ウチはそこを差別化するために、△△の分野に特化しています。」
ここは経営理念にも関係してくる部分なだけに重要です。

しかし、その「差別化」した分野というのが、果たして、その会社の「強み」になっているのか、素朴な疑問を感じることが多いです。

「差別化」しても、お客様のニーズに合致しているのか?
お客様はそれをその会社の「強み」と感じているのだろうか?

「お得意様に聞いてみられましたか?」
「差別化したポイントをお得意様が、御社の「強み」だとおっしゃっておられますか?」

その問いに、はっきりとYESと答えられるクライアント様は、あまりいらっしゃいません。
「まだ聞いてはいないけど、多分そうだと思う。」
とか、
「以前そう言われたことはある」
など、今一つ歯切れが悪い方が多いようです。

思うに、「差別化」とは、横(競合)と見比べての話です。決して正面のお客様を見てからの話ではありません。
別の言い方をすれば、「差別化」とは自分で考えたこと、「強み」とはお得意様が認めたこと、ではないでしょうか?

差別化ポイントが強みになっているか?

いつも贔屓にしてくれるお得意様が、
「ここはお宅のいい点だよ、他より優れている点だよ」、と言ってくれることが「強み」だと言えます。

よく犯す間違いは、
「自分は○○が得意だし、他社ではあまりやっていないから、その点を差別化のポイントとしよう。そこが自分の強みだ」
と勝手に思い込んでいるが、実際お客様に聞いてみると、案外そうではなかった、ということが往々にしてあるようです。

「強み」は自分で決めるものではありません。お得意様が決めるものです。

お客様が「強み」と認めてくれることこそが、競争に打ち勝っていく武器だと言えます。

だから、自社の、あるいは自社商品・サービスの強みはお客様に聞くしかありません。
自分で考えてはいけません。