一昨日は親戚の法事で、とある小さな町へ行き、そこのお寺で法事を行いました。
そしてそれが終わった後、近くの料亭にみんなで集まり、食事会をしました。

久々集まる親戚同士、お互いの近況や、昔の懐かしい思い出話、家族のこと、仕事のことなど、時間の経つのも忘れて、話に花が咲きました。
やはりこれも仏様のお引き合わせなんだなあと、しみじみと感謝しました。

しかし、そこで聞いた、ある親戚の方の話が、とても深刻でした。
彼は、農家の多い小さな町で、近隣の農家の方々を相手に、車の修理工場を営んでいます。最近はお仕事どうですか?、と聞くと、渋い顔で、
「全然だめです」
「どうやってお客さんを集めてるんですか?」
「こんな小さな町ですから、みんな顔見知りで、今までは、別に営業を掛けなくても、注文が来ていました。」
「ところが最近は高齢化で若者が減ってきており、残った若者は近くの都会に出ていく。加えて最近の若い人は車を持ちたがらない。」
「最近の車は頑丈で滅多に故障しない。しかもハイブリッドだの電気自動車だの、特殊な技術で作られており、ディーラーに持っていかないと修理できない。」
「高齢者ばかりが増えているが、最近の高齢者ドライバー事故で、免許返納する人が増えており、新車購入どころか、売却の依頼も増えている。」
「高齢化で農業を辞めていく人が多く、これまで主力だった、軽トラックの需要がガタ落ち。」
「こんなんじゃあ息子たちに修理工場は継いでもらえません。もうおしまいです。」

もうせきを切ったように、これまで溜まった思いが次々と出てくるのでした。

ホームページ屋としては、ホームページでも作って、マーケティングしたら?、などと心の中で思ったのですが・・・・・
でもこれは、ホームページを作るとかいう以前の問題のようです。

誰にどんなメッセージを、どんなやり方で伝えるのか?
それ以前に、田舎で農家相手に車の修理工場を続けても、はたして需要があるのか?

これは社会構造の変化です。今までの需要が衰退してくると、新たな別の需要が生まれてきます。
でもそれを見つけられるのか?
見つけられても既存の設備、資産、技術で、その新たな需要に対応できるのか?
そもそもいったいどうすればいいのか?

マーケティングの3M、メディア、メッセージ、マーケット

マーケティングの3Mとは、アメリカのダイレクトマーケティング界の教祖的存在、ダン・ケネディの教えです。
Media(メディア:媒体)、Message(メッセージ:記事)、Market(マーケット:需要)
この交錯するところが成功の領域です。

☑ Media(媒体)
  自分の見込み客がよく見る媒体は何か?
  ホームページ?、新聞チラシ?、ダイレクトメール?、テレビやラジオCM?

☑ Message(メッセージ)
  自分の見込み客にアピールできるメッセージはどう作るか?
  商品、顧客、競合へのリサーチが欠かせない

☑ Market(マーケット)
  自分の商品・サービスを求めている人はいるのか?どんな人たちか?

この3つが合致しないとマーケティングはうまくいきません。

自分の商品・サービスを求めている人たちが存在し(Market)、その人たちに心を捉えるメッセージを(Message)、その人たちが見てくれる媒体(Media)を使って、アピールする。
この3つが一貫性を持ってうまくいく時、初めてビジネスが成り立ちます。

この親戚の方の場合、つまり田舎の車の修理工場の場合はどうなるんだろう?

どんな媒体を使って、どんなメッセージを作ればいいんだろう?
いや、その前に、衰退していく田舎で自動車修理の需要があるのか?

もはやそんな需要は見込めない、というのであれば、新たな需要をこの地域で見出すことはできるのか?
しかし、いまさら自分に何ができるのか?、ぜひやりたい、続けたいというものはあるのか?、そしてマーケットは?

ポジショニング戦略の再構築

自分が何をするのか?、を考えるのをポジショニング戦略といいます。

Passion(パッション:情熱)、Skill(スキル:能力・技術)、Market(マーケット:需要)
この3つの交錯するところが、成功できるビジネス領域です。スイートスポットです。

☑ Passion(パッション:情熱)
  どうしてもやりたいという情熱のあるものは何か?

☑ Skill(スキル:能力・技術)
  自分にできることは何か?、今までやってきた得意分野は?

☑ Market(マーケット:需要)
  それらに需要はあるのか?

自分がどうしてもやりたいことで、それは自分の得意分野でもあり、求めている人たちも確かに存在する。そんな領域が自分がやるべきビジネス領域です。

この中で一番重要なのは情熱です。やる気がないと困難なことに立ち向かえませんから。

上記の親戚の方の場合はどうなんでしょうか?

長年車の修理をやってきたのだから、情熱も能力も(Passion、Skill)、やはり車の修理技術でしょう。
ならば、衰退していく、農家相手の車の修理ではなく、この方が住んでいる地域で、新たなMarketはあるのか?高齢者向けの???

これはこの方しか分りません。
潜んでいるマーケットを見つけるには、聞いて回る、足で稼ぐ、そうマーケティングリサーチしかありません。しかもそのリサーチはその人でなければ分りません。

マーケティングの3M、ポジショニング戦略、
この2つを駆使して、潜んでいる金鉱を見つけなければなりません。

Good Luck!!、頑張れ!と叫ばずにはおられません。